狼くん、ふれるなキケン!
相変わらずそっけない。
でも、今ちょっと相槌をうつまでに変な間があいたような気がする。
「狼くん?」
「なに」
「あ……いや」
気のせいかな。
もう今の狼くんは通常運転だもん。
なんでもなかった、と答える私に狼くんは呆れたような目をしている。
もうちょっと、微笑みかけるとか、そういうのがあったっていいのに!
狼くんの優しさに飢えている。
優しさプリーズ……とそんなことをぼんやり考えながら狼くんのシャツの袖を捲りあげて、傷の様子を確認する。
けっして軽くも浅くもない。
やっぱり、ただ転んで擦りむいた……とかそういう怪我ではなさそうで。
「あの、狼くん」
「今度はなに」
「この怪我……、何があったんですか」
むやみに探りを入れたいわけじゃない。
興味本位で聞いているんじゃない。
ただ、純粋に、心配だって思うから。