狼くん、ふれるなキケン!
「え」
うちって……お家ってこと?
道枝さんの……?
「……ゆっきー、いいの?」
「ここまで見つかっちゃったしね。近原さんもさすがに気になるでしょ」
「……まあ、そーだろーね」
道枝さんとまやくんのやりとり、その意味は私にはぜんぜんわからない。わかる人にだけわかる暗号みたいな会話だったもの。
だけど、いま、すっごく急展開なのはわかる……!
「それに、私、近原さんだから大丈夫だって思うんだよ」
「はー……。ま、ゆっきーの好きにすればいいよ」
うん、とまやくんに向かって頷いた道枝さんは、もう一度私に向き直った。
「近原さん、このあと時間ある?」
「えっ、あっ、はい!」
「ふふ。じゃ、うちでちょっとお茶しよう?」