狼くん、ふれるなキケン!
◇
「ふー……」
お風呂からあがり、バスタオルで体をふく。
冷えていた体もすっかりあったまって、ほかほかしている。
お風呂って偉大。
「……それにしても」
すごい雨。
お風呂に入っているときも、雨音がすごかったもん。
風の音もびゅーびゅー鳴っていて、窓がガタガタしている。梅雨の雨って感じじゃなくて、むしろ “嵐” って言うべきかも。
なんて、考えていたら。
「……っ!」
ピカッと窓の外が白く光った。
直後、ゴロゴロと地が揺れるような音がする。
か、雷……。
驚いて心臓がばくばくする。
けっこう近くに落ちた気がする。
だって、すごく大きい音だったもん。
そういえば、おへそは隠さないと雷様に取られちゃうんだっけ……!
「っ、ひっ!」
またピカッと外が眩く光る。
そして、次の瞬間、バリバリバリッとお家が壊れちゃうんじゃないかってほどの大きな雷鳴がとどろいて────
突然、ふっと明かりが消えた。