狼くん、ふれるなキケン!
ATTENTION 2: 同居生活のすゝめ!
◇
「今日からこの学校に通うことになりました、近原ひなです。わからないことばかりなので、いろいろ教えてもらえると助かります、よろしくお願いします……っ」
黒板の前。
教室のみんなの好奇の的になりながら、チョークで名前を書いて、促されるままに自己紹介。
緊張で心臓がバクバクしたけれど、なんとか噛まずに言い終えて。ぺこり、と頭を下げればパチパチと拍手の音に包まれた。
「えー、というわけで近原さんはこの春から転入という形で皆の一員になった」
転校生。
自分がそんな肩書きをつけて紹介されるなんて、ちょっと不思議な気分。
小学校や中学校のときのことを思い出す。今の私と同じように他の学校から転入してきた子たち、いたなあ。
転校生って、それだけでヒーローみたいなとくべつな存在だよね。
転校生がいるクラスには休み時間、他のクラスの子たちも覗きに来たりして……ともかく注目の的。
今は、それが、私……なんて。
集まる視線が恥ずかしくて、注目をさらうのも畏れ多くて、逃げるようにそそくさと1番後ろ、空いた席に座った。
「今日からこの学校に通うことになりました、近原ひなです。わからないことばかりなので、いろいろ教えてもらえると助かります、よろしくお願いします……っ」
黒板の前。
教室のみんなの好奇の的になりながら、チョークで名前を書いて、促されるままに自己紹介。
緊張で心臓がバクバクしたけれど、なんとか噛まずに言い終えて。ぺこり、と頭を下げればパチパチと拍手の音に包まれた。
「えー、というわけで近原さんはこの春から転入という形で皆の一員になった」
転校生。
自分がそんな肩書きをつけて紹介されるなんて、ちょっと不思議な気分。
小学校や中学校のときのことを思い出す。今の私と同じように他の学校から転入してきた子たち、いたなあ。
転校生って、それだけでヒーローみたいなとくべつな存在だよね。
転校生がいるクラスには休み時間、他のクラスの子たちも覗きに来たりして……ともかく注目の的。
今は、それが、私……なんて。
集まる視線が恥ずかしくて、注目をさらうのも畏れ多くて、逃げるようにそそくさと1番後ろ、空いた席に座った。