狼くん、ふれるなキケン!


それって、けっこう、高いかも……?
ふわふわふらふらするのもそのせい?


昨日、雨をたっぷり浴びて、そのうえお風呂のあとしばらくハダカのままだったから─────。




「馬鹿は風邪ひかないんじゃないの」

「ば、ばかじゃないもん……」

「どうだか」




天井をぼーっとながめる。

そのまま視線を壁に移動させると、視界に入ってきたのは時計。


そ、そうだっ、学校……!




「学校……、行かなきゃ……っ」




むくっと体を起こそうとすると、途端にとん、と肩をおされてまたもやベッドに背中からぼふっと沈む。




「なっ、なんでジャマするの……った!」



容赦ないデコピンが飛んできた。




「ばーか」

「ええっ」

「そういうところがばかなんだよ、その状態でなに学校行こうとしてんの」

「だ、だって……っ」




学校はちゃんと行かなきゃだめだもん。
行けるもん、大丈夫だもん……。




「だって、も何もねーから。迷惑なだけ」

「迷惑……」

「誰かにうつしたらどうすんの」




そっか……、と納得する。
学校お休み、と思うときゅうにどっと瞼が重くなった。

しんどい……かもしれない、けっこう。




「大人しく寝とけば」

「……うん……」





狼くんの低い声がそばにあることに安心して、そっと瞼をおろせば、びっくりするくらいすぐに意識が遠くなった。





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