狼くん、ふれるなキケン!
お酒……?
ほんとうに?
にわかに信じられない。
「ちがうもん……」
「違くない」
「だって、桜くんが、おみやげ……って」
「“自分への” おみやげの間違いなんじゃない」
えええ、さすがに、そんなことは。
「ともかく、桜くん、そういうところテキトウだから」
「うん……」
「ちゃんと確認しろよ、アルコールって書いてあるだろ」
「書いて、ないもん」
「書いてる」
「英語、読めない……」
狼くんが指し示してくれたところには、たしかに “a” からはじまるそれっぽい綴りの単語が書いてある。その近くには “%” の記号もあって、言われてみればお酒っぽい、かも?
どうしよう、狼くんの言うことがほんとうなら。
「未成年、なのに、お酒飲んじゃった……っ?」