狼くん、ふれるなキケン!



桜くんとの会話。



一言一句、違わずに覚えてる。

何でこんなもん後生大事に覚えてなきゃなんないんだろう。



……覚えてたって、いいことないのに。

それでも抜けないトゲのように突き刺さったままだ。





『ひなは、狼のことがきらいだから』




桜くんにそう言われて、素直に、はいそうですかって鵜呑みしたわけじゃない。俺だってそこまでばかじゃない。



信じたくなかった、それに俺にとっての “ひぃちゃん” はそんなことを言うようなひとじゃなかったから。




だけど。




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