狼くん、ふれるなキケン!
「ずっと一緒にいるんだろ」
「……!」
そうだった。
これから先、ずっと狼くんと一緒にいるんだもん。
狼くんの瞳が、いとしい、って言っている。
だから、大丈夫。
きっと、これはまだはじまりにすぎないから。
────ああでも、今から思えば。
たとえば、一番風呂をかならずゆずってくれること。
たとえば、私のつくった料理にはマヨネーズが控えめなところ。
いとしいは、最初からもうそこにあったのかもしれない。
そして、そのいとしいは、これからだって重ねていく。
「狼くん」
「ひな?」
「ふふ、呼んでみただけですっ」
狼くんと、一緒に、いちばん近くで。
「っ、あ! 狼くん! 遅刻!」
「……めんどくさ」
「だめですっ、遅刻は厳禁なのっ!」
大切な “おやくそく” はひとつだけ。
ずっと、相手を思う気持ちを大切に!
「おはようのキスしてくれたら起きるし」
「っ、もうっ、さっきたくさんしましたっ!!」
「だから足りねーんだよ」
end.