狼くん、ふれるなキケン!
◇
その後もたっぷり新しい生活に戸惑いながらも、道枝さんを筆頭にクラスのみんなの助けを借りて、なんとか無事に転校初日を乗りこえて。
ひとまずこれでひと安心、と思っていたのだけれど、本日最大の事件が起きたのは、それからだった。
それは、狼くんと狼くんママと、夕食を食べていたときのこと。
ちなみに本日のメニューは、豚のしょうが焼き。美味しいよね、狼くんママのお手製だ。
「あら? こんな時間に何かしら」
突如、プルルル……と響いた電話の音。
狼くんママが箸をとめて、不思議そうに電話の方へ向かっていく。
もう夜だもん。
電話をしてくる人なんて、きっと限られている、けれど……。
「はい、藤川ですが……。え?それは本当ですか?」
食卓に残された狼くんと私。
狼くんには私と何か話そう、なんて気はないのだろう。
こちらをちらりとも見ないまま、ひたすらもぐもぐと咀嚼している。
せっかく同じ空間にいても、これじゃあ私が空気にでもなったみたいだよ。
その後もたっぷり新しい生活に戸惑いながらも、道枝さんを筆頭にクラスのみんなの助けを借りて、なんとか無事に転校初日を乗りこえて。
ひとまずこれでひと安心、と思っていたのだけれど、本日最大の事件が起きたのは、それからだった。
それは、狼くんと狼くんママと、夕食を食べていたときのこと。
ちなみに本日のメニューは、豚のしょうが焼き。美味しいよね、狼くんママのお手製だ。
「あら? こんな時間に何かしら」
突如、プルルル……と響いた電話の音。
狼くんママが箸をとめて、不思議そうに電話の方へ向かっていく。
もう夜だもん。
電話をしてくる人なんて、きっと限られている、けれど……。
「はい、藤川ですが……。え?それは本当ですか?」
食卓に残された狼くんと私。
狼くんには私と何か話そう、なんて気はないのだろう。
こちらをちらりとも見ないまま、ひたすらもぐもぐと咀嚼している。
せっかく同じ空間にいても、これじゃあ私が空気にでもなったみたいだよ。