狼くん、ふれるなキケン!


ふたり、暮らし。
狼くんと……?



どくっ、と心臓がヘンな音をたてた。



ど、ど、ど、どうしよう。





「2人とももう高校生だし、大丈夫でしょー?」




私がいまこの瞬間、冷や汗をたらたら流しているとも知らないで、狼くんママは無邪気に微笑む。




「あ、あのっ」

「お金のことなら心配しないでいいからね、ちゃんと置いていくし、足りなかったらいつでも送るから!」





ぜんぜん検討ちがいのことを言われる。
ちがう、ちがうの。

私が心配しているのは────。





「狼は、大丈夫だと思うけど……しっかりよろしくね?ひなちゃんもいるとはいえ、ママがいない間は狼がこの家の主なんだから」





と狼くんママ。

何も答えない狼くんに狼くんママは言葉を重ねる。




「それから! ひなちゃんのことは狼がしっかり守るのよ? ひなちゃんは女の子だもん、預かっているかわいいお嬢さんに何かあったらいくら土下座したって足りないわ」

「……っ」





見えないところで手のひらをぎゅっと握った。

狼くんは、どう思っているのかな。




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