狼くん、ふれるなキケン!
ATTENTION 3: 関係者以外立ち入り禁止!
◇
『部屋行く』
狼くんがそんなことを言うから、ご飯を食べ終えて、お風呂からあがったあと、部屋でそわそわして待っていた、のに。
……のに、この状況は、なんだ。
コンコン、とノックの音がしたかと思えば、こちらが返事するよりも先に開いた扉。
押し入ってきた狼くんは、大きな紙と黒マーカーペンを持っていた。
「机」
ああっ、狼くん、だめなんだから。
ものの名前だけ言って、頼んだってだめ。
小学生のときに叱られたでしょ?
『先生、机ー』
『こら先生は机じゃありません!』って。
なんて心のなかだけで、ぶうぶう文句を言いながら、結局何も言えずに素直にローテーブルを部屋の隅から引きずりだしてきた。
テーブルを挟んで、狼くんと私、向かい合わせ。
正座で向かい合っているなんて、まるでこれからお説教されるみたいだ。
狼くんが持ってきた紙を机に広げる。
紙だと思っていたのは、チラシだった。
なにも書いていない裏側の白いつやつやの面を表にして。
『部屋行く』
狼くんがそんなことを言うから、ご飯を食べ終えて、お風呂からあがったあと、部屋でそわそわして待っていた、のに。
……のに、この状況は、なんだ。
コンコン、とノックの音がしたかと思えば、こちらが返事するよりも先に開いた扉。
押し入ってきた狼くんは、大きな紙と黒マーカーペンを持っていた。
「机」
ああっ、狼くん、だめなんだから。
ものの名前だけ言って、頼んだってだめ。
小学生のときに叱られたでしょ?
『先生、机ー』
『こら先生は机じゃありません!』って。
なんて心のなかだけで、ぶうぶう文句を言いながら、結局何も言えずに素直にローテーブルを部屋の隅から引きずりだしてきた。
テーブルを挟んで、狼くんと私、向かい合わせ。
正座で向かい合っているなんて、まるでこれからお説教されるみたいだ。
狼くんが持ってきた紙を机に広げる。
紙だと思っていたのは、チラシだった。
なにも書いていない裏側の白いつやつやの面を表にして。