狼くん、ふれるなキケン!
こくん、と首を縦にふった。
交替制には賛成だよ。
居候させてもらっている分際で何もしないなんてつもりもないし、平等にするためには交替でするのが妥当だと思うもん。
頷いた私をちらりと見て、狼くんは読点のマルをきゅっと書いた。それで、続けて。
「2. 互いの部屋には立ち入り禁止……」
「あたりまえ」
「……今、狼くん、私の部屋にいますけど?」
思わずつっこむと、ぎろりと睨まれた。
それとこれとは別って話、らしい。
「私、狼くんの部屋に入っちゃだめってことですか?」
「そ」
返事が一文字。
はやくも省エネモードの狼くんに心の中でため息ひとつ。
でも、私、めげないもん!
「なんで、だめなんですか?」
「……なんで入る気だよ」
九文字、増えた。
────なんてしょうもないカウントをとってもしょうがないか。
狼くんの部屋、じつは入る気満々だったって言ったら、さすがに引かれるかな。