狼くん、ふれるなキケン!
もしかして、狼くんが言ってるのって。
もしかしなくても、そういうこと……?
『もう高校生なんだから、男と女のつきあいに変わっててもおかしくないよねーって話』
急に、学校でまやくんに言われたことを思い出す。
ええ……っ。
頭が混乱しはじめて、こんがらがって。
「だ、だって! 狼くんは男の子っていうより、オオカミというか……!」
「は?」
だって、ほんとうにそうなんだもん。
まやくんが言っていたような、狼くんが今言っているような……男の子、として認識する前に今は。
いつ噛みつかれないかひやひやしているんだもん、ずっと。
まるで、オオカミを飼っているみたい。
「第一、狼くんだって私のことそんな風に見てないですよね?」
私のこと、女の子だなんてぜったい思ってない。
そんな狼くんに言われたって、ぜんぜん説得力ないよ。