狼くん、ふれるなキケン!


「もごごご……」




まだ寝ていたい狼くんにはうるさすぎたのか、器用に手のひらで口を塞がれた。



うっ、苦しい。
死んじゃう……!


ほんと、なんでこんなに力強いの。

ぜんぜん起きてくれないくせに……。





「……っぷは、けほっ、こほっ」





命からがら、狼くんの手のひらから逃げ出すことに成功。





「こ、殺す気ですか……!?」





非難と、それからいい加減起きてくれよ、という気持ちをこめて、狼くんの肩を揺さぶる。

この間も、腰は狼くんに捕まったまま。




「動くな……寝かせろ……」

「そんなわけには────っ、ひゃっ、ぁ」





腰もとにあった狼くんの指先が、起こすことをあきらめない私をとがめるみたく、お腹のあたりをくすぐった。



そこ、だめ……!


弱いところを狙って掠める動きに、思わず甘い声をあげてしまって、恥ずかしくてたまらない。


熱い、いま、絶対顔が真っ赤だもん。




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