QUALIA ー最強総長×家出少女ー
曲が終わると、大きな拍手がペコをつつんだ。
慧さん、すごくうまかった。蓮には劣るけど、十分プロを目指せるレベルだ。
だけどムカついたのは、私を見て、馬鹿にするようにニヤリと笑ったことだ。
思い返せば最初に言った「今、彼女はどこにいるのでしょう?」も、完全に皮肉だ。
慧さんはそのあと、何曲か演奏してその日の公演を終えた。
お客さんは終始楽しげで、イベントは大成功だった。
終わってみれば私も、すっかり慧さんのピアノを楽しんでいた。
「慧さん、すごいですね! プロを目指されてるんですか?」と私が話しかける。
慧さんは愛想悪く目を反らす。
「馬鹿を言え。ピアノなんて、医学部に受験するための暇潰しだ。AXISの活動もな」
たしか慧さんは、家が大病院だっけ?
「嘘ついてません?」と私。
「なに…?」と慧さんがにらむ。
「ピアノを暇潰しと思ってる人は、あんなに真剣な音色は出せません。慧さんは多分、自分に嘘をついてます…」
慧さん、すごくうまかった。蓮には劣るけど、十分プロを目指せるレベルだ。
だけどムカついたのは、私を見て、馬鹿にするようにニヤリと笑ったことだ。
思い返せば最初に言った「今、彼女はどこにいるのでしょう?」も、完全に皮肉だ。
慧さんはそのあと、何曲か演奏してその日の公演を終えた。
お客さんは終始楽しげで、イベントは大成功だった。
終わってみれば私も、すっかり慧さんのピアノを楽しんでいた。
「慧さん、すごいですね! プロを目指されてるんですか?」と私が話しかける。
慧さんは愛想悪く目を反らす。
「馬鹿を言え。ピアノなんて、医学部に受験するための暇潰しだ。AXISの活動もな」
たしか慧さんは、家が大病院だっけ?
「嘘ついてません?」と私。
「なに…?」と慧さんがにらむ。
「ピアノを暇潰しと思ってる人は、あんなに真剣な音色は出せません。慧さんは多分、自分に嘘をついてます…」