QUALIA ー最強総長×家出少女ー
☆☆☆

ガバッと勢いよく体を起こし、目が覚めた。

「見ちゃった。あの夢の続き…」

そう確信したと同時に、一気に記憶が呼び起こされる。

……そうだ。

たしか昔、クリスマスの夜に、みんなにプレゼントを買って驚かせようと、一人で買い物に出かけたことがある。

気になるお店があって、暴走族の縄張りだから絶対に近づくなって言われてたけど、私はまだよく分かってなくて、そのお店を目指した。

そして、迷子になった。

気がついたら、高熱を出して家のベッドで寝ていた。

お父さんには泣くほど怒られたし、お母さんは泣き出すしで最悪だった。

そうだ。そのとき枕元にあったのがポインセチアだった。

『ポインセチア…』

ルナが前に呟いた言葉の意味がようやく分かった。

やっぱりあの夢は、現実に起きたことなんだ。
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