QUALIA ー最強総長×家出少女ー
朝食を食べたあと、片付けをしながら、麗於さんに思いきってルナのことを聞いてみた。

「ルナは、なんで眠れずにいるんですか?」

麗於さんはお皿を洗う手を止める。前にルナがすり替えた薬も、ルナがいつも持っている睡眠薬の一種だった。

「眠るのが怖いんですよ。何度も同じ夢を見るようですから」

同じ夢を?

「部屋に飾ってある女の人と、関係があるんですか?」

私には、ルナの過去にはあの女の人が大きく関わっているように思えた。

「そうですね。あの人はルナにとって大切な人ですから。ただ、あまり私の口からは…」

麗於さんは口ごもる。事情は知っていても、言いにくいらしい。

少しの沈黙のあと、

「ですが、ひとつだけ言えることがあります」

麗於さんが口を開く。

「ルナを苦しめるものは、今、あなたが苦しめられているものと同じです。あなたと同じく、ルナは思い出に苦しめられているのです…」

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