QUALIA ー最強総長×家出少女ー
三人がお巡りさんに連れられている。

後ろには、さらに二人のお巡りさん。

どうしたんだろう?

三人とも表情が青い。

万引きでもして捕まったのかな?

耳を澄ませる。雑音の中、三人の声を拾おうとする。

「騒ぐな。黙って歩け」

さっきのお巡りさんの声がする。

見るとその手に、銀色に光る何かが見える。

ナイフだ!

美桜の背中に、それはぴったりと押し当てられている。

「颯太く…」

呼び掛けようとしたとき、颯太君はものすごい力で私の腕を引っ張る。

私の体は宙に浮き、気がつくと、颯太君の小さな腕でお姫様抱っこされていた。
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