QUALIA ー最強総長×家出少女ー
颯太君はしばらく走ったあと、路地裏に逃げ込む。そこで将冴さんに迎えに来るように連絡した。

「ルナさんに言われてるんだ。梟夜と遭遇したら、必ず逃げるようにね」

「でもなんで私がGLEAMに?」

「僕からは言えない。だけど、あの男に捕まったら終わりだよ。あいつはどんな殺人鬼よりも残虐で、冷酷な男だから…」

すぐに将冴さんが車でやってきた。

将冴さんも顔がいつになく真っ青で、それほど梟夜との遭遇が危険であることを物語っていた。

「早く乗れ!」と将冴さん。

「琴葉ちゃん、行こう!」

颯太君が私の手を引く。

「ダメ、私行けない!」
「なんで!?」

梟夜にナイフで脅される三人の表情がまぶたから離れなかった。

きっと三人は私の居場所を聞き出すために脅されているんだ。

そんな三人を、梟夜がどう扱うか? 想像するだけで胸が苦しかった。
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