QUALIA ー最強総長×家出少女ー

「え? えええっ!!???」

目が一気に覚めた。

黒髪に、驚くほど整った顔の男が、私を抱いて眠っていた。

「嘘っ! 私、昨日はあれから一体、何が!?」

混乱したまま、とりあえず男を引き離そうとする。

「邪魔すんな麗於(れお)。こいつは俺の女だ…」

子供を守るライオンのように、彼は私を離してくれない。

「ひぁっ!」

不意に細い指先が、髪の隙間に入る。薄いピンクラベンダーの色をした、私のロングヘアを、彼はイタズラするように、優しく撫でる。
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