QUALIA ー最強総長×家出少女ー
虫の知らせ
☆☆☆
虫の知らせなんて嘘だ。本当に悲劇が起きるときは、いつだって前触れもなく訪れる。
例えば、スマホをいじってるとき、授業を受けているとき、なんとなくテレビを見ているとき。
私の場合、髪を乾かしているときだった。
『ねぇ、今度の発表会、二人は来てくれるよね?』
あの日、私は両親に言った。
『うーん、すまないが、その日はお父さんもお母さんも演奏会があって…』
『ごめんね。他の団員にも迷惑になっちゃうし、休むわけにもいかないの』
『えーっ!!』
二人は同じオーケストラに所属していた。お父さんは指揮者で、お母さんはピアニストだ。
お母さんはかつて、ポーランドの首都、ワルシャワで開かれた国際コンクールに日本代表で出演したほどの人だった。
けど、局所性ジストニアという病気になり、影を潜めてしまったらしい。
『最近いつもそうじゃん! たまには来てくれないと、私だって演奏したくないもん!』
虫の知らせなんて嘘だ。本当に悲劇が起きるときは、いつだって前触れもなく訪れる。
例えば、スマホをいじってるとき、授業を受けているとき、なんとなくテレビを見ているとき。
私の場合、髪を乾かしているときだった。
『ねぇ、今度の発表会、二人は来てくれるよね?』
あの日、私は両親に言った。
『うーん、すまないが、その日はお父さんもお母さんも演奏会があって…』
『ごめんね。他の団員にも迷惑になっちゃうし、休むわけにもいかないの』
『えーっ!!』
二人は同じオーケストラに所属していた。お父さんは指揮者で、お母さんはピアニストだ。
お母さんはかつて、ポーランドの首都、ワルシャワで開かれた国際コンクールに日本代表で出演したほどの人だった。
けど、局所性ジストニアという病気になり、影を潜めてしまったらしい。
『最近いつもそうじゃん! たまには来てくれないと、私だって演奏したくないもん!』