QUALIA ー最強総長×家出少女ー
☆☆☆
目を覚ますと、自分の部屋のベッドにいた。
「体調はいかがですか?」
近くには麗於さんがいる。
「大丈夫です。心配かけてすいませんでした…」
麗於さんは「私の方こそ申し訳ありません…」と頭を下げた。
「ピアノのことは、噂ではうかがっておりました。ご両親の不幸をきっかけに、弾けなくなってしまったんですよね…」
私はうなずく。
「共感覚のことは?」
「もちろん。あなたは有名人ですから」
そっか。
みんなはあえて、今まで私のピアノや共感覚について触れなかったんだ。
力を失ってしまっていることを、知っていたから。
「ピアノを弾こうとすると、両親の死を知った日の記憶が、音となって聴こえてくるんです。それが、本当に嫌な音で。病院の先生が“死の旋律”って名付けたんです…」
目を覚ますと、自分の部屋のベッドにいた。
「体調はいかがですか?」
近くには麗於さんがいる。
「大丈夫です。心配かけてすいませんでした…」
麗於さんは「私の方こそ申し訳ありません…」と頭を下げた。
「ピアノのことは、噂ではうかがっておりました。ご両親の不幸をきっかけに、弾けなくなってしまったんですよね…」
私はうなずく。
「共感覚のことは?」
「もちろん。あなたは有名人ですから」
そっか。
みんなはあえて、今まで私のピアノや共感覚について触れなかったんだ。
力を失ってしまっていることを、知っていたから。
「ピアノを弾こうとすると、両親の死を知った日の記憶が、音となって聴こえてくるんです。それが、本当に嫌な音で。病院の先生が“死の旋律”って名付けたんです…」