QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「苦しいよな。何度も後悔したよな。分かるよ。俺もずっと、自分を責めてた。時計の針を戻して、全部やり直したくて。だけど失った時間は、二度と戻ってこないんだ」

その声から、ルナの苦しみが分かった気がした。

麗於さんが言った通りだ。ルナも私と同じだなんだ。

過去の思い出に苦しめられながら、それを手放して、すべてを受け入れるのが怖かったんだ…。

「二人は、私のせいで死んだの。私がわがままを言わなかったら、二人は死ななかった…」

涙があふれてきた。どうしようもなく、止まらなくなる。

「お前はかつて、俺に生きる希望をくれた。そんなお前が今、悲しみの中にいるのなら、今度は俺が、お前の光になる…」

そう言ってルナは、私にキスを落とした。
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