QUALIA ー最強総長×家出少女ー
唇が、ほのかに濡れていた。柔らかくて、温かい。

体温と息遣いから、ルナの愛が注がれるのを感じる。

密着した心臓は、共鳴するように高鳴り、熱を帯びた。

今、はっきりと分かった。

ルナが言った「女にする」という言葉は、決して、嘘なんかじゃなかったって。

何度もキスを繰り返したあと、ルナは私の目をじっと見つめる。

愛に溺れていく。赤い瞳が、私を溶かす。

「琴葉は、何も悪くない…」

雲に隠れていた月が顔を出す。朧な光が、空間に満ちていく。

「だからもう、自分で自分を傷つけないでくれ。琴葉が生きていてくれれば、それだけでいいんだから…」
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