QUALIA ー最強総長×家出少女ー
蓮の言葉に、私は一歩前へ出る。

「手紙の最後にあった、お母さんについてって、なに?」

私が言うと、蓮は真っ直ぐ私の目を見つめた。

「ワルシャワ国際ピアノコンクールに、出演する気はないか?」

ワルシャワ国際ピアノコンクール。

その言葉に、息が止まる。

ピアニストなら、誰でもそのコンクールの名前を知っている。

それは五年に一度開かれる、ピアノコンクールの最高峰。世界一のピアニストを決める夢の舞台だ。

「かつて、君のお母さんも出演し、日本人初の四位という快挙を達成した。だが君なら、優勝も狙える」
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