QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「けど、お詫びもできてデートにいけるなら一石二鳥じゃないですか?」

「ムリムリ! 絶対にムリ!」

篤史さんは猛烈に拒否した。昨日、将冴さんと考えたいい作戦だと思ったのに。

「じゃあさ。もっと綺麗にたたんでやるからそのハンカチよこせよ」と将冴さん。

「汚いか?」

「綺麗ではないな」

篤史さんはハンカチを将冴さんには渡す。

「お前さ、今日中に返せよ。じゃなきゃ俺が返してくっから」

「はぁ!??」

「だってそうだろ? いつまでも借りてりゃ盗んだのと一緒だぜ? 今日できなかったら、篤史が盗んだって俺は見なすからな!」

将冴さんはそう言うと、篤史さんはうつむいて考え出した。

そのすきに、将冴さんはハンカチにチケットを隠した。

「ほら、俺らも後ろで見てっから行ってこい!」

将冴さんはハンカチを渡し、背中を押す。

そこまで言われて篤史さんも決心がついたようで、力強くうなずいた。
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