QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「けど私は、もうあなたとは金輪際、縁を切ろうと思う…」

私の言葉にお兄ちゃんはみるみる青ざめていく。

「え? ちょ……どういうことだよそれ?」

「言葉の通りだよ。もうあなたとは会わない。これから私は蓮と一緒に…」

蓮に目線をうつす。ルナは私の後ろから見守る。

「ワルシャワへ行くの。世界一のピアニストになるために…」

それが私が出した答え。そして1ヶ月にわたる、ルナとの同居生活の結末。

お兄ちゃんは汗を大量にかきながら「いやいやいやいや…」とせせら笑う。

「世界一のピアニストとか、そんなの無理に決まってんだろ!! 子供のお前に何ができる!?」

お兄ちゃんは絶叫し、怒りのあまり体を震わせる。

「第一、俺はお前のために大学まで辞めてここに来たんだぞ!? 少しは俺に恩はないのか!」
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