QUALIA ー最強総長×家出少女ー
日常に追われ、ふと立ち止まりたくなったとき、いつも彼の姿が瞼に浮かんだ。

あの夜のことは、毎日のように思い出す。

もしかしたらルナは今頃、私ではない誰かとの愛を選び、まったく違う人生を生きているのかもしれない。

私の中でルナがどんなに大切な存在であろうとも、ルナにとっての私が、そうであるとは限らなかった。

四年前には、心の底でつながっていたように思えた。でも今は、ルナの心が分からない。

四年間の空白を埋めるような、あらゆる可能性の類いの妄想が、残酷な現実ばかりを予感させる。

だけど例え、ルナが私ではない誰かを選ぼうとも、私はルナの幸せを心から願えるほど、強くなりたい。

そんな強がりで、私はルナへの思いを封じ込めた。

それも明日、ルナと再会すれば、はっきりとした答えが出るだろう。

四年間の空白も、ルナが最初に見せる表情で、全てが分かる気がする。

ルナは私に、昔と変わらない優しさで微笑んでくれるのだろうか?

それとも、もしかしたら……
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