QUALIA ー最強総長×家出少女ー
その後、ルナは待ち合わせの公園で少年と会う。そして、そこで突然、少年が隠し持っていたナイフで、ルナを刺したのだ。

動機はいまだに分かっていない。麗於さんの予想だと、これから分かることもないらしい。

警察と救急車がほぼ同時に到着した。

その頃には、ルナは手遅れだった。

少年はルナを刺したナイフを手に、泣いていた。

『誰か、その子を救ってやってくれ。その子は、ひとりぼっちなんだ…』

ルナは周囲の人に、最後にそう言い残した。

ルナの表情がどんなものであったかは分からない。

ただ最後まで、ルナは自分を刺した少年のことを心配していたらしい。

話を聞き終え、私はルナの気持ちがなんとなく分かった気がした。
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