QUALIA ー最強総長×家出少女ー
二回目の
レストランのガラス張りの大きな窓から、ワルシャワの夜景が一望できた。

天井から吊るされたシャンデリアの薄明かりが、店内をほんのりとオレンジ色に照らす。

「知ってたかい? ポーランドのクリスマスイヴでは、普通はお肉を食べないし、お酒も飲まない習慣なんだ」

蓮はそう言いつつ、テーブルに用意された真っ赤なローストビーフを食べた。

「僕らは日本人だから、関係ないんだけどね」

周りは大人ばかりで、ドレスコードを守らなければ追い出されてしまうかもしれない高級店だ。

蓮はグレーのスーツをモデルのように着こなしている。

ナイフとフォークの使い方もうまくて、一歳しか違わないはずが、ずっと大人に見える。

「誘ってくれてありがとう。こうやって外で話すのは久しぶりだね」
< 273 / 304 >

この作品をシェア

pagetop