QUALIA ー最強総長×家出少女ー
体に力が入らず、立つこともできない。
不快な音は頭に響き続け、汗が額から流れる。
くそっ…
悔しさのあまり、唇を噛む。じんわりと血がにじむ。
蓮は私の目線までかがみ、肩に手をあてる。
「ルナのこと、二人からきいたよ…」
声がかすれていた。
「ごめん。昨日の夜は、何も知らなかった」
一呼吸おき、蓮が続ける。
「君はずっと頑張ってきたんだ。十分過ぎるほど、苦しんできた。だからもう、休んでもいい。誰も君を責めやしないから…」
「違うよ。蓮…」
鉛のように重い体を持ち上げ、震える足を無理やり立たせる。
「演奏なんて無理だ…」と蓮。
「やれる…」
「でも、君はもう限界なんだ…」
またグラリと体から力が抜ける。今度は将冴さんと颯太君が支え、ギリギリ膝をつかなかった。
「それでも私は、ピアニストだから…」
そのとき、病室の扉が開いた。中に入ってきた人を見て、私は目を見開く。
不快な音は頭に響き続け、汗が額から流れる。
くそっ…
悔しさのあまり、唇を噛む。じんわりと血がにじむ。
蓮は私の目線までかがみ、肩に手をあてる。
「ルナのこと、二人からきいたよ…」
声がかすれていた。
「ごめん。昨日の夜は、何も知らなかった」
一呼吸おき、蓮が続ける。
「君はずっと頑張ってきたんだ。十分過ぎるほど、苦しんできた。だからもう、休んでもいい。誰も君を責めやしないから…」
「違うよ。蓮…」
鉛のように重い体を持ち上げ、震える足を無理やり立たせる。
「演奏なんて無理だ…」と蓮。
「やれる…」
「でも、君はもう限界なんだ…」
またグラリと体から力が抜ける。今度は将冴さんと颯太君が支え、ギリギリ膝をつかなかった。
「それでも私は、ピアニストだから…」
そのとき、病室の扉が開いた。中に入ってきた人を見て、私は目を見開く。