QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「麗於さん…っ」

四年前の記憶から飛び出したように、麗於さんはあのときと同じ姿で立っていた。

ブラウンのスーツに、ベージュのネクタイを締めている。

手には白い包みに入った何かを持っている。

私はゆっくりと彼に近づく。

「お久しぶりですね。とても大きく、そして美しくなりました」

腰が抜け、倒れるように麗於さんのもとへ。膝をつき、麗於さんは私を抱き締める。温かい胸に包まれて、心に突き刺さった棘が溶けていく気がした。

「麗於さんっ! 私っ! 私っ!」

麗於さんは私の頭をなでる。この人は昔と変わらない。ずっと私の痛みを包み込んでくれる。父親や、母親のような人だ。

「ルナのこと、私も傷つきました。今でも、現実の出来事だと受け入れることができない。彼がまだ、小さい頃から一緒にいましたから…」

麗於さんは床においていた包みを私の前に置く。そして懐から何かを取り出す。

「これはルナの部屋にあったものです…」
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