QUALIA ー最強総長×家出少女ー
ほほを温かいものが伝う。せき止められていたものが、一気に流れるように、涙が止まらなかった。

そっか。ルナは最初から、私のことを想ってくれていたんだね。

小さかった私と出会ったときも、四年前、家出した私と再会したときも。

ルナが願っていたのは、私の幸せだけだった。

疑ったりして、ごめんね。

そして、本当にありがとう。

あなたは私に、たくさんの幸せをくれた。

あなたが私の、全てを変えてくれた。

ルナ。ルナ。

もう二度と、私はあなたと会うことはできない。

けど、あなたは今でも。今でも私に、たくさんの宝物を与えてくれる。

ポインセチアを抱き締め、いっぱい涙を流した。

こらえることもなく、遠慮することもなく、ただひたすら泣いた。

いっぱい泣いて、心の天気が少しだけ変わった。

そのとき、誰かが私に手を差しのべた。

「琴葉。行くぞ」

蓮だった。

「もう、逃げないよな?」

涙をふき、私は蓮の手を取る。

「今度は私が、約束を果たす」
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