QUALIA ー最強総長×家出少女ー
エピローグ
一年後。私は蓮と一緒にペコを訪れた。
日本に帰ってくるのは五年ぶりだ。石黒教授の言うとおり、忙し過ぎる日々で、ようやくまとまったお休みが取れた。
ルナのお墓参りも二人で行った。海が見える綺麗な丘だった。風が心地よく、ルナはお姉さんの隣にいた。
「また来年も来るからね」
その日、ペコでは演奏会が開かれていた。私はサプライズゲストとして出演した。
「実は何年も前に、私もここで演奏したことがあるんです」
私はお客さんに向けて言う。
「そのときは“月子”と言う名前でした。おかしな話ですよね。変装までしてたんですよ。けど今は“琴葉”として、堂々と演奏します。今の自分があるのも、大勢の人に支えられ、望まれてきたからだと思います。本当に、みなさんには感謝しています。それでは、聴いてください」
鍵盤に指を置く。細く息を吐き、集中力を高めていく。
「まずは、この曲からです」
こうして私の青春は終わった。そして私のピアニストとしての人生は、始まったばっかりだ。
~the end~
日本に帰ってくるのは五年ぶりだ。石黒教授の言うとおり、忙し過ぎる日々で、ようやくまとまったお休みが取れた。
ルナのお墓参りも二人で行った。海が見える綺麗な丘だった。風が心地よく、ルナはお姉さんの隣にいた。
「また来年も来るからね」
その日、ペコでは演奏会が開かれていた。私はサプライズゲストとして出演した。
「実は何年も前に、私もここで演奏したことがあるんです」
私はお客さんに向けて言う。
「そのときは“月子”と言う名前でした。おかしな話ですよね。変装までしてたんですよ。けど今は“琴葉”として、堂々と演奏します。今の自分があるのも、大勢の人に支えられ、望まれてきたからだと思います。本当に、みなさんには感謝しています。それでは、聴いてください」
鍵盤に指を置く。細く息を吐き、集中力を高めていく。
「まずは、この曲からです」
こうして私の青春は終わった。そして私のピアニストとしての人生は、始まったばっかりだ。
~the end~