QUALIA ー最強総長×家出少女ー

声をかけられた。振り返ると、白い特攻服を着た男が三人、私を囲っていた。

「どうしたのこんな夜中に? もしかして家出?」

顔を見ただけで、この人達の素性が分かる。剃られた眉に、たくさんのピアス。

高校生だろうか? 真ん中の男は、顔に刺青までしている。

「その、私…」

恐怖で言葉が出ない。不良と話すなんて、生まれて初めてだ。

「俺ら、この辺で活動してるGLEAMって暴走族なんだけど、知ってる?」と刺青の男。

GLEAM? たしか、No.2の……

「もし行くとこないなら、俺らと来ない? 寝床も飯も全部用意してやるからさ」

「えっ!」

それは願ってもいないチャンスだ!

もしかして、見た目の割にいい人なのかな ?

「でも、その代わり…」

刺青の男が目線を上にあげる。見ると、先にはホテルがあった。
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