QUALIA ー最強総長×家出少女ー
訊くと、将冴さんは少し真剣な顔をした。
外では数えきれないバイクが、車の周りを護衛するように走っている。
「総長のところだ。仲間にしてもらうには、総長の許可をもらわねぇと」
総長…?
たしか赤い目をした…
「ルナ…」
思わず呟く。
「お、めずらし! 知ってんだ総長の名前!」
まずい!
「ぐ、偶然知ってるだけで!」
「へぇ、でもすげぇよ!」
なんだか現実味がわかない。
私これから、赤い目の総長に会えるんだ。
もし、それが夢に出てきた男の子だったら……
ボーっとする私に、将冴さんは「そういえば、名前は?」と訊く。
「琴葉です。フルネームでは、言えないですけど…」
「そっか! 琴葉ね! 和風でいい名前だな!」
車は海を目指して走る。今日は月に一度の集会と“暴走”があるらしい。
「総長と会う前に、気をつけてほしいことがあんだけど」