QUALIA ー最強総長×家出少女ー
夢は決まって、その一言で終わった。
起きたあとは、もうちょっと詳しく覚えていることもあるけど、一日のうちに、ほとんど忘れてしまう。
けど、心は不思議なくらい温かくなる。前の夜に、どれだけ泣こうとも。
誰なんだろう?
黒髪で……あと眼の色が、普通の人と違う。
何度も繰り返し見て、その度に救われてる。
彼のことを考えると、心臓が、痛いくらいドキドキした。
彼と会って、話してみたい。そのほほに触れて、涙の訳を知りたい。
とめどなく、そんな願いばかり、胸にあふれてくる。彼は手が届かないほど遠くにいて、夢の中でしか、会うことができないのに。
「赤い眼の男と? 夢で会うって?」
学校帰りに、美桜(みお)は長い金髪をなびかせ、私に言った。