QUALIA ー最強総長×家出少女ー
ルナは私を連れて、森の中へと入る。
集団からは遠ざかり、徐々に静寂が訪れる。
月明かりに照らされて、彼の肌は白くて綺麗だ。
目の赤さも際立ち、血を欲する吸血鬼のようにも見える。
こんなに美しい顔は、初めて見た。
「下に車を用意した。今すぐ帰れ」
ルナの一言に、心臓がハンマーで叩かれたように痛んだ。
「でも…」
まだ、帰りたくない。
ずっとみんなと、一緒にいたい。
「お前は、俺達とは住む世界が違う。これ以上、俺達に干渉すべきじゃない」
突き放すような、ルナの言葉。
そうだよ。ルナにとって私は、将冴さんが拾ってきた、関わるとめんどくさそうな女に過ぎないんだ。
総長であるルナが、そんな私をAXISから遠ざけようとしても、何もおかしくない。
「分かりました。だけど最後に教えてください」