QUALIA ー最強総長×家出少女ー

ルナと最高幹部のみんなは、全員で一階へと降りた。

どうやら私は、四階建ての家にいたらしい。

扉を開けると、その光景に私は、目を疑った。

「ここって…」

思わず、ルナの手を離した。

古民家風の内装。アンティーク調の机と椅子。棚に並んだたくさんのコーヒー豆。外の空気が流れる大きな窓。

間違いない。

そこは夢で見た、あのカフェとまったく同じだった。

「どうしました?」

麗於さんが言う。

夜か昼かの違いはあるけど、ここは間違いなくあのカフェだ。

見渡すと、小さい頃の私が座っていたグランドピアノもあった。

そうだ。夢ではここで、ルナと出会ったんだ。

グッと胸に想いが込み上げてきた。

体もプルプルと振動する。

見ると、近くの机に大きなハサミがあった。私はそれを手に取る。
< 69 / 304 >

この作品をシェア

pagetop