QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「何しやがるテメェ!?」

篤史さんが声を荒げる。

私を押さえ込もうと、つかみかかりにくる。

私は刃を開くと、

ジョキ……っ!!

長かった私の髪を、肩の辺りから切り裂いた。

「なっ…!!?」

髪がふわりと地面に落ちる。

今まで私は何年も髪型を変えたことがなかった。

理由は憧れのピアニストであるお母さんに少しでも近づくために、お母さんと同じ髪型にしていたからだ。

ずっと大切に伸ばしてきたから、これで少しは変装になる。私だって、バレる危険も減る。

「お願いします…」

私は深々と頭を下げた。

「絶対に正体は隠し通します。みなさんにも迷惑はかけません。だから私を……仲間にしてください…」
< 70 / 304 >

この作品をシェア

pagetop