QUALIA ー最強総長×家出少女ー
「麗於さん、ペコのメニュー表をこれにかえてくれませんか?」

開店前に、私が麗於さんに言った。

「このメニュー表、あなたが作ったんですか?」

「はい!」

それは私が徹夜して書いた、イラスト付きのメニュー表だ。

もとのメニュー表だと“字”しか書いてなかった。

それが、颯太君にとって大きな困難だった。

「注文表にも同じイラストを書いたので、簡単にメモができます。メニュー表も席の数だけ作りましたし」

麗於さんは過去一驚いた顔をした。

颯太君はメニュー表と注文表を見て、目を輝かせた。

「気づいていたんですか? 颯太がディスレクシアだって」

やっぱりそうか。私はうなずく。
< 97 / 304 >

この作品をシェア

pagetop