QUALIA ー最強総長×家出少女ー

「颯太君がうれしそうだったから、私もやって良かったです！」

仕事中はすごく眠かったけど！

「あの子はディスレクシアが原因でほとんど家に引き込もってましたからね。ですが今日、彼が得た小さな勝利は、必ずや彼に大きな変化を与えるでしょう」

麗於さんは微笑む。まるで、子供を見守る母親みたいだ。

「颯太君は、なんでペコハウスに？」

麗於さんは苦い顔をする。

「あなたと同じく、あまり良い理由はありません。颯太に限らず、ここにいる方は、そう言った何らかの“理由”を抱えてここに迷い混むのです」

ルナや、みんなの顔が頭に浮かぶ。

「そうだったんですね…」

みんな、何か辛い過去を抱えて、この家で同居してるんだ。

なんだか急に悲しくなってきた。そんな私の頭を、麗於さんがなでる。

「だからこそ、ここは迷える子羊（pecorella）が、自分の本当の居場所を見つけるまで、安心して休める場所でありたいんです。AXISもある意味、そう言った居場所です」