御曹司は魔法使い⁉︎
「…先生? 寿貴先生?」

ハッ

「な、なんだ⁉︎」

「私、そろそろ帰らないと…。」

「え? あ、そうだった。」

すっかり泊まって行くと思い込んでたけど、花はここに来るのも突然だったんだ。
うわ、もう0時前じゃないか。

「……こんな時間に帰って怒られないか?」

「…んー。微妙だなぁ。
正直、連絡なしでここまで遅くなったのは初めてだから。
でも、母はこの1週間、私の異変に気づいているはずなの。干渉するような人じゃないから、言って来ないけど。
ただね、今日は父が出張でいないの。
関西の方でリニューアルオープンのところがあって…」

「え⁉︎ それなら泊まっていけないか?
お母さんには俺から電話する!」




結局、俺の勢いに負けて、花は家に電話をかけてくれた。
そして初めて、花の母親と話す。

「初めまして。
夜分に申し訳ありません。
ベリヒルホスピタル、トゥモローシードセンター長をしています桜川寿貴と申します。」

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