御曹司は魔法使い⁉︎
…これは…どうした事だろう。
さすが産婦人科医、さすが私の主治医、と言うべきか…。
自分の欲は閉じ込めて、私を最優先してくれるらしい。……有難い事だけれど…。

でも。
やっぱり女心をわかってない。
こんなにロマンティックな流れで、それはないでしょう!

んー。ここは…



「…寿貴先生は、もう私に魅力を感じない?
やっぱり…、仁貴のママなのかな?私…」

「…は? な、何を言ってるんだ⁉︎
そんなわけあるか…」

「でも、間に仁貴を入れて寝るくらい、間をあけたいんでしょう?」

「バ、バカな!何言ってるんだ!
俺がどれだけ我慢してるか!花が大事だから触れないように…」

「だったら。…抱いて?
思いっきり抱いて、私を安心させて?
ね?今はお医者様じゃなくて、私の旦那様なの。思いっきり愛して。」

「……いいのか?」

「うん!
……うーん、私の読みでは、仁貴が次に起きるまで、あと2時間切ったね。」

「…‼︎ い、急げ‼︎」

「キャッ! ちょ、ちょっと…
自分で歩けるよ〜! 降ろして〜〜!」



フフフ。
せっかちなところは相変わらず。
こんな旦那様に愛されて、私は本当に幸せだ。



こうして私達は、しばらくぶりに夫婦の愛情を確かめ合ったのでした。





〜おしまい〜


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