御曹司は魔法使い⁉︎

どうやら私は、寿貴先生の隣に立って、可愛いと思ってもらえるような存在でいたいみたいだ。
隣に立つだけで……ドキドキする。
こんな気持ちは初めてで…


これは、ひょっとしたら……


遅く来た、初恋なのかもしれない………





◇◇




ベリヒルホスピタルタワマンは、ちょうどホスピタルをはさんでレジデンスと反対側に立っている。
1階から3階まではエスカレーターで上り下りでき、3階にコンシェルジュが常駐する。そこではレジデンスと同じように、24時間、タワマン住民のお世話をしてくれている。

ここはドクター専用の住居スペースだ。
深夜に帰宅後のランドリーや食事の準備。
また、突然の呼び出し時にはベビーシッターを即座に手配することもできる。
全てに柔軟に応えるサービスがあるそうだ。

寿貴先生はコンシェルジュからランドリーケースと郵便物を受け取り、エレベーターに乗り込んだ。
セキュリティももちろんしっかりしている。エレベーターは生体認証システムで、読み取った階にしか行けない。33階が点灯した。
これもレジデンスと同じだ。

と言っても、私の家族は滅多に乗ることが無いんだけど。2階だから常にエスカレーターを利用している。