御曹司は魔法使い⁉︎
「花が⁉︎」

もっと早く言えよ!
それなら明日からでも行く!

「朝倉のフラッグシップ店なの。
ホスピタルのコーヒーハウスは。
だから、私が全面的に入って、父に相談しながら運営しているの。
あ! 今度ね、ボックスランチの販売もする予定なの。」

「日替わり弁当って感じか?」

「そう。まだ計画段階なんだけど、中庭にテラス席をたくさん増やして、陽の光を浴びながら、お客様にランチタイムを過ごしてもらうつもりでね。今日、その打ち合わせをしたところだったの。」

「へぇ……、本当に花は仕事熱心なんだなぁ。
……あ、コレ美味いな。」

「本当⁉︎
嬉しいなぁ。寿貴先生のお口に合うかなぁって思いながら作ったから。
そのだし巻きのレシピも、私が考えたの。」

「…天才じゃないのか?」

「もうっ! 褒め過ぎたよ〜。
じゃ、気分良いから、また差し入れします〜。」

「ああ。そうしてくれ。」




楽しい。
花と過ごす時間がこんなに楽しいと思わなかった。
ずっと喋っていたい。
ずっとここに居て欲しい。



でも、食べ終えたらもう遅い時間で。
花を解放せざるを得なかった。



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