御曹司は魔法使い⁉︎
「松村さん、お世話になります。
お忙しい中、お時間をとって頂きありがとうございます。本日は宜しくお願い致します。」

「こちらこそ。
来てくれて嬉しいよ。
さ、入って。店を案内するよ。」

「ありがとうございます。」

お店は一般的な和菓子屋さんのイメージと違い、まるでタイムスリップしたような雰囲気。多分これは創業当時の江戸の街をイメージしているのだろう。でも、商品ケースは穏やかに光り輝いている造りだ。

「こっちは販売。
お包みしている間に、休憩して頂くスペースがここ。
そして、右手に喫茶があるんだ。
ちょうど閉店したところだから、今日はこの喫茶スペースでお試し会をしようと思う。」

時刻は20時。
この銘店街は、20時クローズらしい。
レストラン街は23時までなので、この辺りはこれから閑散とするのだろう。

「実は……母と何度か伺っているんです。こちらのお店。クリームあんみつを食べに。」

「そうだったんだ!
ありがとう。嬉しいよ。」

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