【短編】乙女戦隊 月影〜Dead Or Alive〜
タイツはある部分だけ開いていたのだ。

「今だ!やつらを殺せ!」

笑いながら恍惚の表情を浮かべるおいなりは、

突然膝を崩した。

「馬鹿な…」

おいなりのおいなりに、九鬼の正拳突きが入っていた。

「生おいなりに、触れる乙女など…」

おいなりは口から、泡を吹きながら、白目を向き、失神した。

その余りに痛そうな攻撃に、他の下っぱがたじろいだ。


「九鬼!やったね」

倒れたおいなりの顔の部分のタイツを、九鬼は破った。 

「こいつは!?」

顔を見たあたし達は、驚いた。

「臨時教員の戸田!」

「あり得ない…先生がやつらの手先なんて」

「なんかだり〜い」




「そうよ!よくぞ、そこまでたどり着いたわね」

下っぱの群れが真ん中で割れ、白衣の女性が腕を組ながら、現れた。

「半田先生!」

弾切れんばかりのナイスバディで有名な半田は、あたしの前に立ちはだかった。

そして、あたし達を舐め回すように見ると、

「ガキ!乳臭いガキ!」

「何!」

「どうして!あたしは、こんなところに!本当なら!このナイスバディを見て、まだまだあおい青少年が、ムラムラして、いろいろ想像して、悶える姿を楽しみにしていたのにいい!」

半田は嘆き、

「どうして、女子高なのよ」

肩を落とした。

そして、わなわなと全身を震わすと、

「この満たされない思いを…あの人は救ってくださると、約束してくれたわ!お前達を倒せば、あたしは男子校に転勤できる」

半田は、白衣を脱いだ。

鉄の下着だけになった半田は鞭を持ち、下っぱに命じた。

「やれ!」

下っぱが襲い掛かってくる。



同時刻。 

「ありがとうございました」

補習を受けていた竜田桃子は、頭を下げると、教室から出た。

「ああ、気を付けて」

補習を担当することになった結城哲也は、笑顔で桃子の後ろ姿を見送った。


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