パリで出逢った ソウルメイト ②
圭介は、自宅の書斎に優一を呼んだ。

「優一、神谷の事だが…経営者としては、一番やってはいけない事だ…わかるよなぁ〜……」

「あぁ、いくら成績不振でも、
成長するように育てなければならない事だと思うし、わざと退職へ追い込んだ事」

「そうだ。神谷が中々上手くいかない様だから
サブと手を貸して契約取ったりした事もあるんだ。
だが、手を貸した事が気に入らなかったらしくて
自分ひとりでやれたのにと言っていたそうだ。

確かに本人の性格や考え方が違うのはわかる…
でも、謙虚さや感謝を忘れ、嫉妬や恨みを持つと
周りが助言したり、諭してもダメで、

本人が気づくまで、周りへ悪影響の垂れ流しが続く。

家族を守る為とはいえ……
俺はやってはいけないををした。

神谷に言いがかりをつけられていた後輩社員はホッとしてるだろうが、 
俺は、神谷の人生を変えてしまったと反省してるんだよ。」

「親父の言いたい事は、充分わかってるよ。
確かに経営者としては、いけない事をした。
でも、家族として、岡田圭介の息子として、
妻のリサを守ってくれてありがとう。親父。」


「あぁ、わかってくれて、ありがとうな優一。
じゃあ、リビングでお茶でも飲もう。」

「うん、そうだなぁ。」

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