パリで出逢った ソウルメイト ②
「いや〜、この仕事の依頼で私が、救われたんです。
こんな話をお客様にしてはいけないんだけど…
実は最近、スランプだったんです…
カトリーヌさんから電話が来た時は正直、はあ?
この俺がリフォーム?
オイオイって思ったんですよ…

しかし…私が建築家を目指したきっかけは、祖父の家を二世帯住宅にした事なんです。

平面図だったものが、大工さん達の手によって二世帯住宅の家に変身したのに感動して…

私は賞を受賞したり、称賛されたりして少し天狗になってたのかもしれません。
みなさんがこのアパルトマンの思い出を大切にしている気持ち、
岡田夫妻がこれから増える子供達への優しさ、
あの頃…我が家でも 爺ちゃんや父さんが家族の事を考えて設計士さんに頼んでいた姿と重なって…

スランプが パリーン!って割れたんです!
こちらこそ、大事な事に気付かせて頂き、ありがとうございました。」

熊五郎こと斉藤 拓海さんも涙ぐんでいた。

「だから私は、デザインでお礼させて下さい」

私達は、顔を見合わせ、皆頷いた。
正式に契約を交わす事になり、斉藤さんの仕事の関係で、3月から着工となる。

日本の親達は、素敵なデザインにビックリするだろうな。

< 19 / 394 >

この作品をシェア

pagetop